今すぐ始められる!『からだ』と『こころ』を美しく健やかに保つためのススメ

忙しく毎日を過ごしていると、自分の体や心のことは後回しになってしまいがち。
体や心にちょっとした不調があっても、それが日々の“当たり前”になってしまっていませんか?
でも、もしかしたらそれって“当たり前”ではないかもしれません。

健康で美しく、しなやかな『からだ』や『こころ』を保つために大切なことは
食べること(食事)・体を動かすこと(運動)・体を休めること(睡眠・休養)この3本柱の土台を整えていくこと。
毎日を心地よく過ごすために、『からだ』と『こころ』によい習慣。始めてみませんか?

運動

毎日どれくらい動いてる?今の生活を振り返ってみよう

『運動』は消費エネルギーを増やして太りづらい体をつくるだけでなく、 体力をつける、筋肉量の維持や増加、代謝の改善、血液の循環をよくする、血管を強くする、丈夫な骨をつくる、脳の機能によい影響を与える、ストレス解消やリフレッシュ効果など、様々な効果があります。
体と心の健康を保ち、毎日を心地よく・アクティブに・楽しく過ごすために、『運動』は毎日の生活に取り入れたい習慣です。

スポーツの実施状況等に関する世論調査(令和2年,スポーツ庁)によると、 運動不足を感じると回答した割合は 79.6%。
週1日以上スポーツをする人の割合は20代以上で約6割。
健康や、体力づくり、運動不足解消、ダイエットのためにといった理由が上位を占めています。
一方で、運動不足を感じていても、仕事や家事などの忙しさ、面倒くさい、といった理由から 日常生活の中で“習慣化するのは難しい”と感じている方が多いのが現状ではないでしょうか。

『運動』というと、“ランニング”や“ジムでのトレーニング”などを思い浮かべる方が多いと思います。
もちろん、こういった運動習慣は生活に取り入れることが理想ですが、 まず毎日の生活の中で“体を動かす習慣”を身につけることからスタートしましょう。
「身体活動」には、『運動』によるものと合わせて、移動の歩きや掃除などの家事、階段の上り下りといった『日常生活の活動』も含まれています。

●1日のステップ数(歩数)をチェックしてみよう

では、日常生活でいったいどれくらい体を動かせばよいのでしょうか?
ひとつの目安は毎日のステップ数(歩数)です。
1日の生活の活動の目安は、約『8,000~10,000歩』
移動などを含めて約60分歩くか、それと同じくらいの活動(例えば、階段の上り下りや、掃除、荷物を運ぶなど) をすることが目標です。

●まずは毎日の生活に“10分”意識して動く時間を作ってみよう

“忙しい毎日の中で8000~10000歩なんてムリ!”と思った方も、まずは毎日の生活に“10分”意識して体を動かす時間を作るところから始めましょう。(10分歩くと、約1,000歩のプラスになります。)
例えば…
・在宅勤務時は、通勤と同じ時間帯に歩くようにする
・仕事の前後に掃除をする
・エスカレーターやエレベーターを使わずに階段を使う
・ランチの時間にお弁当を買いに歩く
など、毎日の生活の中で「10分」(10分が難しければ5分でも!)
今の生活に体を動かす時間を+αできそうなタイミングを探してみましょう。
8000~10000歩に満たなくても、まずは毎日の生活の中で、意識して”今よりも“体を動かす時間を増やす”ことが大切です!
是非今日からスタートしてみてください。

※血糖値が高い、血圧が高い、血中脂質異常などを有する場合、運動による代謝効果のメリットよりも身体活動に伴うリスクが上回る可能性もあります。
かかりつけの医師の判断が必要な場合や、医師のもとで行う必要がある場合があります。

《参考文献・サイト》
・健康づくりのための身体活動基準2013(厚生労働省)
・宮地元彦ら,『健康づくりのための運動基準2006改訂のためのシステマティックレビュー』
・スポーツの実施状況等に関する世論調査,令和2年(スポーツ庁)
・国民健康・栄養調査,令和元年(厚生労働省)
・『身体活動とエネルギー代謝』e-ヘルスネット(厚生労働省)(2022年2月19日閲覧)

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運動

体を動かす機会を“ちょっとだけ”増やすことから始めてみよう

『運動は体にいい』とわかっていても、忙しくて時間がないといった理由からなかなか習慣にできない…という方も多いと思います。そして『運動の時間を作って積極的に体を動かす』という以前に、今の便利な世の中では日常的に“体を動かす機会”自体が激減してしまいました。私たちの体は、特に運動習慣のないままに過ごしていると、20~30代をピークに年齢とともに筋肉量は徐々に減少し、それとともに体力も低下していきます。動くと疲れる…疲れるから動かない…とどんどん“からだを動かす” “運動する“ことから遠ざかってしまいがちに…”運動不足“は太りやすくなるだけでなく、体や心の不調にも関係します。この負のループから抜け出す唯一の方法は…からだを動かすこと、そして運動する習慣を少しずつ身につけていくしかないのです!
“運動”を継続すると、代謝が高まり太りづらい体になる、体力がつき疲れにくくなる、血行がよくなるため、冷えの改善や肌の調子が整う、肩こりや腰痛などの改善、といったもののほかに、月経前症候群(PMS)や更年期障害の症状をやわらげる、といった効果も期待できます。

特にウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は体脂肪の燃焼や体力・持久力を高めるのに、 筋トレなどのレジスタンストレーニングは、筋力の維持や増加、基礎代謝を高めるのに有効です。
“運動”というとツラいイメージがあるかもしれませんが、そうではなく、楽しみながら・無理なく実践できて、長い人生の中で「継続する」ことが一番大切です。
手軽に始めやすく、オススメの運動は『ウォーキング』。ウォーキングと言えば有酸素運動の代表ですが、 下半身の筋肉をたくさん使うほか、姿勢を保持したり、腕を振るのに上半身の筋肉も使います。正しいフォームで行えば、筋トレの面も持ち合わせている全身の筋肉を使う運動です。(特にこれまで運動習慣のなかった方ほど効果的!)

《ウォーキングのポイント》
1)背伸びをしてお腹を少し凹ませるようにしてから手を下ろす
2)目線を正面に向けて肘を軽く曲げて、1)の姿勢を維持して歩く
3)ペースはおしゃべりできるくらいを目安に(最大心拍数の50~60%)

まずは「10分」でよいので、毎日の生活のなかで“ウォーキングタイム”を作ってみませんか?
忙しい方は、買い物や通勤で歩く時間でちょっとだけ姿勢やペースを意識した“ウォーキングタイム”を作るのがおすすめ!
『運動する』と思うと、何か特別なことを始めなくては…と尻込みしてしまいがちですが、まずは普段の生活の延長で、体を動かす機会を“ちょっとだけ”増やす。早速今日から始めてみましょう!

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食事

質の高い睡眠のカギは『朝食』あり!朝食のコツは?

朝食を食べる習慣はありますか?
“忙しくて時間がない” “食欲がない” と朝食を食べなかったり、 トーストとコーヒーなど、簡単なものですませてしまっていませんか?
“質のよい睡眠”のためには、その日の朝の始まりをどうスタートするか?
そしてどんな『朝食』を食べるか?に大きなカギがあります。

●朝起きたら行いたい2つの“モーニングルーティーン”

『睡眠』に大きく関わっているのが、私たちの体がもつ「体内時計」。
24時間より少しだけ(15~20分程度)長いリズムをもつと言われています。
この少しのズレを、毎日リセットして体のリズムを整えることで、 朝になると活動モード、夜になると睡眠モードへと切り替わり、 スムーズな眠りにつきやすい体のリズムをつくることができます。
体内時計には、司令塔となる脳の「親時計」と、肝臓や肺、筋肉など体の各部位にある「子時計」があります。
脳の「親時計」は“朝の光”の刺激でリセットされ、「子時計」は“食事”による刺激でリセットされます。
起きたらできるだけすぐに窓をあけたり、外に出て朝日を浴び、朝食を食べましょう。
起床後の2つのモーニングルーティーンで体内時計をリセットすることができるのです!

●「朝定食」「モーニングセット」が理想の朝食

納豆ごはん・塩鮭・味噌汁といった「朝定食」や トースト・目玉焼き・サラダ・ヨーグルトとった「モーニングセット」が理想の朝食。
バランスのよい食事が理想ですが、特に意識してとりたいのは“炭水化物”と“たんぱく質”。
炭水化物とたんぱく質をセットにしてとることが、体内時計をリセットすることがわかっています。

●眠りを促すホルモン『メラトニン』の分泌にも朝食が大事!

眠りを促すホルモン『メラトニン』は、 日中の活動で作り出される幸せホルモンとも呼ばれる神経伝達物質の『セロトニン』から合成されますが、 その『セロトニン』の材料となるのが、 卵、大豆・大豆食品、牛乳・乳製品、肉や魚、などたんぱく質を多く含む食品に含まれる 必須アミノ酸の「トリプトファン」です。
朝食で「トリプトファン」を多く含む食事(たんぱく質が豊富な食事)をとり、『セロトニン』の合成を促す行動
・食事をよく噛んで食べる
・日中屋外で活動する(太陽の光を浴びる)
・ウォーキングやジョギングなどの一定のリズムで行う運動 など
を行うことで、夜に分泌される『メラトニン』の量が増加したという報告も。
また、朝食でとった「トリプトファン」をしっかりと脳に運ぶためには、 ごはんやパンなどの“炭水化物”と「トリプトファン」を多く含むたんぱく質源(卵や納豆、鮭、牛乳、ヨーグルト、など)はセットで食べることがポイントです。
時間のない朝も、納豆たまごかけごはん、またはハムチーズトースト&ゆでたまごに牛乳はとりたいところ。

体内時計のリセットのためにも、眠りを促すホルモン『メラトニン』の分泌のためにも、特に炭水化物とたんぱく質を意識して、朝食を食べる習慣をつけましょう!

《参考書籍・参考サイト》
・柴田重信『時間栄養学 時計遺伝子、体内時計、食生活をつなぐ』(化学同人)
・柴田重信『食べる時間でこんなに変わる時間栄養学入門』(講談社)
・古谷彰子,柴田重信(監修)『時間栄養学が明らかにした「食べ方」の法則』(ディスカバートゥエンティーワン)
・田原優,柴田重信『体内時計健康法』(杏林書院)
・脳の栄養~ブドウ糖(砂糖)とトリプトファンを中心として~独立行政法人農畜産業振興機構(2015)(2022.2.19閲覧)

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食事

水分補給でめぐりよい体に!
代謝を高めるには必要な水分をしっかり補給しよう!

私たちの体は、成人で約60%を「体液」と呼ばれる水分が占めていて、血液をはじめ、皮膚や筋肉、臓器、骨などあらゆる部分に存在しています。
体の中での水(体液)は、血液の成分として細胞に栄養素や酸素を運び、不要になった老廃物などを細胞から運び出し排泄しています。分泌されたホルモンを目的の臓器や組織に届けるのも血液です。また、細胞に運びこまれた栄養素や酸素を使ってエネルギーを生み出す、体を作るタンパク質を合成する、といった“化学反応の場”としても水の存在は重要です。
必要な水分をしっかりと補給することで、体のすみずみの細胞まで必要な栄養素や酸素を送り届けることができ、栄養素や酸素からエネルギーを生み出す、肌や筋肉・骨などを作り替える、いらなくなったものは体の外に排出する、というよい循環を生み出すことができるようになるのです。
ほかにも体温調節や体液のバランスを保つなど、生きるために欠かせないものが“水”なのです!

1日に必要な水分量の目安は、飲みものからは約1.2ℓ(食事に含まれる水分から約1.0ℓ)。喉が渇いてから一度に飲むのではなく、こまめな摂取がおすすめです。例えば、起床後すぐ・朝食・10時・昼食・15時・夕食・風呂前後・就寝前などタイミングを決め、コップ1杯分を目安に飲む習慣を。
また、運動するときにはよりその効果を引き出すためにも、積極的な水分補給が必要です。汗をかく分、普段の生活に必要な水分量にプラスαの補給が必要。運動前後はもちろん、運動中も15~20分に1回を目安にして、こまめな補給するようにしましょう。

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睡眠

睡眠の質を下げてしまう原因は?質の高い睡眠をとるための過ごし方

深夜まで仕事をしていたり、布団の中でスマホを見ていたり、 睡眠時間を削って寝る直前までダイエットのためにハードなエクササイズをしていたり…!
体は眠るための準備をしている時間帯に、忙しく過ごしていませんか?
『睡眠の質』を高めるには、夜の過ごし方にもポイントがあります。

●夜の“強い光”にご用心

眠るためには、体のリズムやホルモン、体温など、体のさまざまな機能が協力しあって成り立ちます。
夜になると、眠りを促すホルモン『メラトニン』の分泌が増え、体は睡眠モードに切り替わっていきます。
特に“ブルーライト”と呼ばれる強い光(LEDの照明、スマホやタブレット、PC等の光など)は、体を目覚めさせる作用が強く、 夜に強い光を長時間浴びると、本来夜に分泌されるはずの『メラトニン』の分泌量が減り、 体内時計や睡眠のリズムを乱す原因となってしまいます。
部屋の照明を暖かい光に変える、夜にスマホやタブレッドを使用するときは、端末のナイトモードやブルーライトカットフィルムなどを利用して光の影響を弱める、といったことも工夫のひとつです。
ただ、スマホやタブレッド、PCなどはブルーライトの影響だけでなく、使用することで脳が“興奮状態”になっていることも睡眠を妨げる要因に。就寝1時間前には手元から離す、電源をオフにする、寝室に持ち込まない、といったデジタル機器から離れる時間をあえて作ることも、よい睡眠のためには必要なことなのです。

●睡眠前の体温をうまく下げる

私たちの体は、起きているときは深部体温(体の内部の体温)を上げて活動していますが、 睡眠中は臓器や筋肉、脳を休ませるために深部体温(体の内部の温度)を下げます。
睡眠前に、体温がうまくさがるように過ごすことも、質のよい睡眠につながるポイントです。

*就寝前にオススメの過ごし方
《就寝3時間前を目安に》
・夕食を食べる
・軽めの運動を行う

《就寝1~2時間前を目安に》
・ぬるめの湯(39~41度)で入浴する

一度深部体温を上げると、体は上がった体温を元に戻そうとします。
この力をうまく利用して、体温が下がるタイミングがスムーズに眠ることのできるタイミング。
反対に、就寝直前の夕食や、ハードな運動は睡眠の質を下げてしまうので要注意。
夜遅くなってしまう場合は、消化のよい食事にする、運動はストレッチなどリラックスできるものにしましょう。

『睡眠』は休息だけでなく、脳や体のメンテナンスを行う大切な時間。体も心も健康に過ごすためには欠かせない時間です。
忙しい毎日を送っていると難しいかもしれませんが、ちょっとだけ“意識”して、よい睡眠につながる夜の時間を過ごしてみませんか?

《参考文献・書籍》
・健康づくりのための睡眠指針2014(厚生労働省)
・尾崎章子,巽あさみ『健康づくりのための睡眠指針2014~睡眠12箇条~に基づいた保健指導ハンドブック』 
・杉田正明,片野秀樹(監修:一般社団法人 日本リカバリー協会)『疲労を防ぐ!健康指導に活かす 基礎休養学』(メディカ出版)
・西野精治『スタンフォード式 最高の睡眠』(サンマーク出版)
・柴田重信『食べる時間でこんなに変わる時間栄養学入門』(講談社)
・古谷彰子,柴田重信(監修)『時間栄養学が明らかにした「食べ方」の法則』(ディスカバートゥエンティーワン)
・田原優,柴田重信『体内時計健康法』(杏林書院)

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睡眠

『睡眠不足』で太りやすくなる?!
食事・運動と合わせて “睡眠”にも目を向けて

美容や健康のために食事や運動には気をつけていても、『睡眠』については特に気にしていない…なんてことはありませんか?
睡眠は“体と心の回復”、そして美と健康に欠かせないもの。脳や体の休息、疲労の回復、肌や筋肉の修復、情報の整理、情報の処理などは睡眠中に行われています。
睡眠不足の状態が続くと、疲れがとれない、集中力の低下、肌の調子がイマイチ…といった不調が起こりやすく、また疲れもとれず体がだるい状態では一日の活動量も減りがちに…活動量が減れば当然消費するエネルギー量も低下してしまいます。
さらに、睡眠不足の状態が続くと、食欲を抑えるホルモンの分泌を低下させ、一方で食欲を高めるホルモンの分泌が増えるため、食欲を増大させてしまうとも。消費エネルギー量が低下した状態で、食欲が増し、食べる量が増えると太りやすくなってしまうのです。

平均睡眠時間が7~8時間の人に比べて、肥満の確率が5時間の人は50%、4時間以下の人は73%にも増加するという調査結果もあります。
運動を始めよう!と思っているのに体がだるくてやる気が起こらない…ダイエットをするぞ!と思っているのについつい甘いものがやめられない…もしかしたらそれは意思の弱さではなく、“睡眠不足”が関係しているかもしれません。
適切な睡眠時間は7~8時間程度が目安とされますが、個人差や季節、加齢に伴う変化もあります。日中に眠気をもよおさず、シャキっと目覚めた状態で過ごせるかどうかが目安とされています。
毎日の食事や運動と合わせて、“睡眠時間”にも目を向けてみませんか?

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ストレス

月経前の体の不調を感じたときこそ体を動かしてみよう!

『月経前はむくみがひどくて体重もすごく増えてしまう…』
『月経前はささいなことでイライラしてしまう…』
日本では月経のある女性の約70~80%が月経前に何らかの症状があると言われています。
なかでも、月経前症候群(PMS)とは“月経前、3~10日の間続く精神的あるいは身体的症状で、月経開始とともに軽快ないし消失するもの”と日本産科婦人科学会では定義されています。
イライラしたり怒りっぽくなる、落ち込みやすくなるといった精神的なものや、 下腹部の膨満感、頭痛、むくみ、眠気などの身体的なものなど、症状は人それぞれ。
軽いものから、生活に困難を感じるほど重いものまで、200種類以上。
原因ははっきりとはわかっていませんが、 女性ホルモンの変動や自律神経のバランス、ストレスや忙しさなど、 いくつもの要因が影響しあって症状を引き起こしていると考えられています。

●自分の体のリズムを知る・記録する

毎日の生活のなかで、からだやこころに起こる悩ましい不調の症状は『PMS』が原因だった、ということもあります。(*)
特に月経のある期間は、約1か月(平均的な月経周期で28日)の間に女性ホルモンが大きく変動し、 体だけでなく心にもさまざまな変化が起こります。
まず、こういった“ホルモンの変化”があり、体や心も影響を受けることを知ること、 そして1か月の体のリズムを知り、体の変化や不調に気がつくことが一番大切です。
まずは月経周期や症状の記録をし、1か月の中で体にどんな症状が現れるのか、 その症状がどれくらい続くのかなど、記録することから始めてみましょう。

●ウォーキングやジョギングなどの“有酸素運動”が予防や症状の軽減につながる

PMSの予防や症状の軽減には、食事のバランスや生活習慣を整えることなどと合わせて、 ウォーキングやジョギングなどの『有酸素運動』はPMSの予防や症状の軽減に役立つことが知られています。
週3回1日20分のジョギングを3か月継続することで PMSの身体症状や精神症状に大きな改善が見られたという報告もあります。
特にウォーキングやジョギングのようなリズムを刻む運動は、“幸せホルモン”とも呼ばれる「セロトニン」を増やします。
また、運動によるドーパミン、ノルアドレナリンといった脳内の神経伝達物質のバランスを整えたり、ストレス反応をコントロールする効果なども症状の予防や軽減の理由と考えられています。

手軽に始められる『有酸素運動』でおすすめなのは、ウォーキングやジョギング。
“運動する”と思うと、高いハードルを設定してしまいがちですが、 まずはお散歩のつもりで外に出て歩くことからスタートしてみましょう。
自分が気持ちよいと感じられること、何より運動習慣を身につけることが一番大切。
もちろん、ウォーキングやジョギングに限らず、毎日の生活に取り入れやすい運動を行ってみましょう。

*PMS(月経前症候群)、PMDD(月経前不快気分障害(PMSと症状が現れる時期は同じで、PMSよりも精神症状が強く現れる))は、医師による問診で診断されます。日常生活に支障がある場合は治療の対象となり、症状が改善する・緩和することもあります。
体の不調やトラブルを感じる、つらい症状がある、といった場合は専門家や医療機関へ相談することも、自分の体や心を守る大切な選択肢のひとつです。

《参考WEBサイト・文献・書籍》
・公益社団法人 日本産科婦人科学会「月経前症候群(premenstrual syndrome : PMS)」https://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=13  (2022年2月19日閲覧)
・J Obstet Gynaecol. 35(4): 389-392, 2015
・John J. Ratey ,MD with Eric Hagerman『脳を鍛えるには運動しかない!』(NHK出版)

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ストレス

ストレス解消に運動は効果的!

『ストレス』というとネガティブなイメージがありますが、実は“適度なストレス”は体にとって必要なもの。
適度なストレスやプレッシャーは、モチベーションやパフォーマンスを高めるほか、満足感や達成感、充実感を得るためにも必要です。一方で、“過度の”ストレスや、長く続く“慢性的な”ストレスは、体や心の健康に様々な影響を及ぼしてしまいます。
まずはストレスの原因を探り、自分がいまどれくらいストレスを感じているのか?といったことを知ること。
そして、ストレスを強く感じたら、体や心をゆっくり休めてリラックスする時間を作る、体を動かしてストレスを発散する等、バランスをとりながらコントロールしていくことが大切です。

ストレスを解消する方法として、運動はとても効果的です。特にウォーキングやジョギング、サイクリングといった筋肉を一定のリズムを刻んで動かす運動(リズム運動)は、脳の神経伝達物質のひとつで、心を落ちつかせたり、ストレスをやわらげる「セロトニン」を活性化することが知られています。さらに、“日光を浴びる”ことだけでもセロトニンは活性化されるので、特に午前中~日中に外に出て歩く・走るといった運動はストレス解消におすすめ。また、10分程度の短い運動でも、意欲的になりポジティブな感情・思考が増す、といったこともわかっています。イライラしたり、ストレスを感じているときこそ、少し時間を作って外に出て体を動かしてみてください!体や心がスッと軽くなるのを感じられることと思います。

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